お金を増やすためには、単に貯金をするだけではなく、投資をすることが重要です。その中でも再投資型インデックス投資は、投資家のお金を複数の資産に分散させて分配金を再投資運用する方法です。複利効果とは、再投資型インデックス投資で効果を発揮できる一つの特徴であり、運用益が再び元本に反映されて利益が増える仕組みです。
しかし、具体的に複利とは何なのでしょうか?この記事では、複利の意味やその効果をわかりやすく解説し、投資を通じて複利効果を活かすために必要な5つのポイントをご紹介します。
複利とは?

複利とは、投資や預金の利息が元本に加算され、次の利息の計算対象となることで、元利合計が徐々に増加していく仕組みです。一方、単利は利息が固定され、元本に対して一度だけ支払われます。
例えば、税金を考えずに説明しますが、1年間に100万円の元本を3%の金利で預けた場合、単利の場合は1回の利息が3万円になりますが、複利の場合は1年後に元本が103万円になり、次の年の利息の計算対象が103万円となるため、2年目には元本が1,060,900円になり60,900円の利息になります。
複利は時間の経過によって成り立ちます。元利合計が徐々に増加していくため、時間が経過すればするほど利息の効果が大きくなります。そのため、長期的な投資や預金においては、複利を活用することでより高いリターンを期待できるとされています。
複利の重要性
複利は投資にとって非常に重要な要素です。複利を活用することで、元本が徐々に増加していき、成果が積み上げられるため、将来的なリターンがより高くなる可能性があります。
長期的な視野で見た場合、複利は大きなメリットをもたらします。例えば、同じ利率でシンガポール国債を100万円分購入します。10年間預けた場合、シンガポール国債は単利なので3万円の利息が10回支払われ、合計30万円になりますが、ある再投資型インデックス投資の複利では1年目に3万円、2年目に6万900円、10年目には34万3,917円の利息になり、合計約134万円になります。結果として複利は単利と比較して4万円程度多くなります。
そのため、複利を活用することでより大きなリターンが期待できます。複利は元本が成長するため、成長した元本に対して更に高いリターンを得ることが可能です。
複利効果を活かす5つの事

複利効果を活かすためのポイントは以下の5つです。
- 長期的な目線で投資をする
- 分散投資でリスクコントロール
- 手数料の計算
- 購入タイミング
- 我慢強さや忍耐力
一つずつ解説していきます。
長期的な目線で投資をする
株式市場の歴史を振り返ってみると、長期的には成長していく傾向があります。短期的な変動に惑わされず、着実に成長する企業や業界に注目して投資を行いましょう。
また、長期的な投資をする上で大切なことは、投資先の企業や業界の将来性を見極めることです。企業の財務状況や成長戦略、業界の動向などをしっかりと分析し、将来的な成長が期待できる銘柄に投資しましょう。
分散投資でリスクコントロール
分散投資は、複利効果を生かすためにも重要です。単一の投資先に資産を集中させてしまうと、その一つの銘柄の成長に依存することになります。しかし、複数の銘柄に投資することで、ある銘柄が成長しなかった場合でも、他の銘柄の成長によってリスクを分散ができます。
また、分散投資は長期的な視野で見た場合にも、それぞれの銘柄が成長し、その成長分が元本に加算されていくという複利効果を生かすことができます。
手数料の計算
投資信託には、運用会社が運用や管理を行うために一定の手数料が必要となります。この手数料には、信託報酬や販売手数料などが含まれます。
特に長期的な投資においては、手数料が複利に影響を与えるため、費用を抑えることが重要です。投資信託の選択時には、信託報酬や販売手数料の割合を比較が重要です。
また、投資信託の選択時には、複利の効果を最大化するためにも、長期的な視野での運用を前提とした商品選びが重要です。特定の銘柄に偏らず、幅広い分散投資ができる投資信託を選ぶことで、長期的な運用でのリスクコントロールができます。
購入タイミング
適切なタイミングで購入することで、複利効果を最大限に活用ができます。
例えば、同じ金額を1年間毎月シンガポール国債に入れる場合と、再投資型インデックス投資信託に定期的に積み立てる場合を比較します。シンガポール国債の場合、利息は単利で計算されるため、毎月入金しても利息は加算されません。
しかし、再投資型インデックス投資信託の場合、購入価格が毎回異なることから、ドルコスト平均法の効果と複利効果が期待できます。
投資信託の場合、安値で購入した場合は、上昇した際の利益も大きくなります。また、高値で購入しても、長期的な視点で見た場合、その後の成長によって投資金額が回収される可能性が高まります。つまり、購入タイミングによっては、ドルコスト平均法と複利の相乗効果を最大限に活用ができます。
我慢強さや忍耐力
複利効果は時間をかけて成長するため、即時に大きな利益を得るわけではありません。そのため、我慢強く長期的な視野で投資を続ける必要があります。
投資信託は市場の変動によって価格が上下するため、一時的な下落や不安定な状況に直面することもあります。しかし、過去のデータからは、長期的な目線で投資を続けることが、複利効果を発揮するための重要な要素であることが示されています。
我慢強さや忍耐力を持つことで、短期的な市場の変動に左右されずに投資を続けることができます。そして、長期的な視点での投資によって、投資信託が複利効果を発揮し、着実に成果を積み上げていくのです。
まとめ
複利効果を最大限に発揮するためには、長期的な視野で投資し、分散投資を行い、費用を抑え、適切なタイミングで投資を行い、我慢強さや忍耐力を持つことが重要です。これらの要素を組み合わせて投資信託を活用すれば、複利の力を最大限に引き出すことができます。投資をする際には、これらのポイントに留意して、賢明な選択を行いましょう。
例えば、再投資型インデックス投資信託のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を選ぶのもありかもしれません。