投資を始めたての頃、投資について調べていくと必ずと言ってよいほど出てくるのが「投資信託」と「NISA」です。
投資信託とNISAは全く別の意味合いをもった言葉ですが、登場する場面が多いため意味が混同してしまいがちです。
そこで、今回は投資信託とNISAの違いを初心者でもわかるよう、ゼロから解説します。
投資信託とNISAの違い

投資信託とNISAにはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの内容について解説します。
投資信託とNISAはどのように違うのでしょうか。
それぞれの意味について解説します。
投資信託とは
投資信託とは、投資家から集めた資金をひとまとめにし、運用のプロであるファンドマネージャーが運用する仕組みのことです。
ファンドマネージャーは集まった資金を株式や債券、REIT(不動産上場投資信託)に投資します。
投資信託の運用で得た利益は分配金として受け取ることもできますし、再投資に回して投資金額を増やすこともできます。
運用成績が良いときもあれば、悪いときもあるため投資信託の価格は常に変動します。
銀行預金などと異なり、元本保証されている金融商品ではありませんので、市場の状況によっては損失を被る可能性もありますので要注意です。
NISAとは
NISAとは少額投資非課税制度のことで、イギリスの仕組みを参考に導入されました。
NISA口座を作成することで、株式や投資信託の売却益・配当金などが非課税となります。
現行のNISAは一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類ですが、2024年からはジュニアNISAが廃止され一般NISAとつみたてNISAの二階建てとなります。
現行の一般NISAは年間120万円まで、つみたてNISAは年間40万円、ジュニアNISAは年間80万円まで購入可能です。
新NISAでは、1階部分にあたるつみたてNISAを実施している人のみ、2階部分の個別株投資が可能となります。
投資信託のメリット・デメリット

投資信託にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリットを3点、デメリットを2点取り上げます。
投資信託のメリット
投資信託には3つのメリットがあります。
1つ目のメリットは少額から投資可能なことです。
株式投資や債券投資をするには、数万円から数十万円といったある程度まとまった資金が必要ですが、投資信託であれば100円から投資可能です。
2つ目のメリットは分散投資ができることです。
投資の世界に「卵を一つのカゴに盛るな」という格言がありますが、一つの金融商品に集中投資していると、その価値が下落した時に大きな損失を被ってしまうため、様々な金融商品に分散投資するべきだといった意味合いで用いられます。
投資信託は異なる資産クラスの商品を組み合わせたり、一度の購入せずに複数回に分けて購入するといった時間的な分散も図れるため、分散投資に適しています。
3つ目のメリットは投資のプロであるファンドマネージャーが運用してくれることです。
投資の初心者がプロと対等の知識を持って取引するのは非常に難しいですが、投資信託であれば運用をプロに任せられるため安心して投資できます。
投資信託のデメリット
投資信託のデメリットは2点です。
1点目のデメリットは元本保証ではないことです。
銀行預金や郵便貯金は元本保証された金融商品ですが、投資信託は市場で売買されるため価格が上下します。
そのため、市況によっては投資した資金を下回ることがあるのです。
2点目のデメリットは手数料がかかることです。
主な手数料は購入時の手数料・運用中の手数料(信託報酬)・売却時の手数料(信託財産保留額)で、取り扱っている金融機関によって異なります。
利益を大きくしたいのであれば、手数料が低い金融機関を選択するとよいでしょう。
NISAのメリット・デメリット

NISAにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリットを2点、デメリットを2点取り上げます。
NISAのメリット
1つ目のメリットは売却益や配当金が非課税となる点です。
株取引などで得た利益には所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%の合計20.315%の税が課せられます。
NISA口座で取引すると、これらの税がすべて非課税となります。
2つ目のメリットは幅広い金融商品が対象である点です。
NISAは個別株式や投資信託、ETFなど様々な金融商品が対象となっていますので、非課税で取引できるチャンスが多い制度です。
つみたてNISAを選択した場合でも、金融庁が指定した投資信託であれば購入可能です。
NISAのデメリット
1つ目のデメリットは繰り越しができない点です。
一般NISAであれば年間120万円、つみたてNISAであれば年間40万円の非課税枠がありますが、枠が余っても翌年以降に繰り越すことができません。
2つ目のデメリットは他の口座との損益計算ができない点です。
NISA口座の金融商品と特定口座や一般口座で保有している金融商品との間で損益計算ができません。
特定口座で利益が出て、NISA口座で損失が出たとしても損益通算ができないので、特定口座の利益はそのまま課税されてしまいます。
まとめ
今回は投資信託とNISAの違いにやそれぞれのメリット・デメリットについてまとめました。
投資信託は金融商品の一つであり、NISAは非課税制度ですので全く意味合いが異なる言葉です。
投資初心者にとって、投資信託は自分に代わってプロが運用してくれるため利用しやすい商品だといえます。
NISAの範囲内で投資信託を購入すると、売却益や配当金が非課税になって非常にお得ですので、しっかりと活用することをおすすめします。

